資産形成を考えてみる

資産形成を考えてみる

リース物件が不特定多数で個別管理ができない。
 購入選択権付リース=しかもそれが名目的購入価額の場合やリース期間が著しく短い場合が問題となります。
借り手に購入選択権があるということは、物件がリース会社に返還されない可能性が高いといえます。
しかも、購入価額が低すぎたり、リース期間が耐用年数の六〇%または七〇%より短い場合は、売買したのと実質的に変わらないことになるからです。
そこで、リース契約書には、購入選択権をつけないことが一般的です。
 不均等リース=借り手または貸し手の資金負担や税負担を考慮して、リース料逓減方式や一定期間据置方式といった不均等リース料を採用しているリース契約がみられますが、現在の税務の扱いは、定額リース料を前提としており、不均等を認めると恣意性が横行することにもなることから本来の月額リース料に基づいた場合を前提として課税することになります。
また、金利等の変動を理由にしてリース料を変更した場合にはリース取引でないとみなされる可能性もあります。
 リースバック=所有する中古資産をいったんリース会社に売却し、同時にリースで借りる取引は、「中古資産のリースバック取引」として、実態が金融取引と認められるときは、当初の売却取引がなかったものとして扱われます。
 リースの長所は固定資産価額を通常の減価償却より早く費用化(償却)できることです。
しかし、会社が新規に機械装置等を導入する際、リースにするか、それとも購入(自己資金、借り入れ、割賦のいずれか)にするかについては、税金だけではなく会社の資金調達能力、負担金利面等も含めて総合的に検討する必要があります。
 資金面=金融機関等からの資金調達余力がない場合や、会社全体の資金繰りを有利にする場合にリースが大いに利用されてきました。
また損益計算でも早期償却にだけ目を奪われて、忘れられやすいのが金利費用です。
リースで節税はしたけれど、それ以上に負担利息で損をしないようにしてください。
たとえば、借入購入の場合に公的融資を受ければかなり低利資金を調達できます。
また、リース料に含まれる金利もリース会社により差があります。
どの方式がもっとも採算がよいか個別に検討する必要があります。
 節税面=購入する資産(たとえばメカトロ機器)によっては、通常の減価償却のほかに特別償却や税額控除の恩典を受けることができる場合があります。
もし導入を考えている資産について特別償却が認められる場合は、導入初年度の節税効果はリースを上回ることになります。
したがって特別償却、税額控除制度についても検討したうえでリースか購入かを選択すべきです。
 法人税対策だけでなく相続税対策としても、赤字を作り出すレバレッジドリースがもてはやされています。
グループ会社に対してこの方法を採用しているケースもみられます。
一方で、バブル期のレバレッジドリースの失敗で苦労している会社もあります。
実際にこの取引を採用するかについ税務以外の種々の経済的要件を検討することは当然でしょう。
ここでは税務上のポイントだけに絞ります。
レバレッジドリースとは、リース収入計上を先送りすることで、収入より費用が大きい状態にして赤字を作り出すものです。
つまり、リース会社(またはリースの貸し手企業)が、固定資産の法定耐用年数よりかなり長いリース期間でリース契約をすると、毎期のリース料収入は少なくなり収益計上が先送りされ、さらに所有する固定資産は法定耐用年数で定率法で減価償却を行うと、毎期の課税所得は当該リースについてはかなりの赤字計上となり節税対策となります。
特に航空機リースビジネスに利用されました。
ただし、リースとは認められず、売買または金融取引と認定されるケースがあるので具体的な適用は慎重に行ってください。
 固定資産の取得に要した費用はすべて固定資産原価に含めなくてはなりませんが、いくつかの例外があります。
 固定資産を取得するときに、銀行からの借り入れやリース会社からの割賦購入を利用する場合があります。
税法の原則からいえば、これらのいわばひもつき融資に対する支払利息は固定資産原価に含めるのですが、直接損金処理も認めています。
ただし、決算時に建設仮勘定のような資産に含めてしまうと、損金処理の意思なしとしてその後の損金処理を認めません。
また割賦購入の場合は、契約書に金利分か区分明記されていることが条件です。
ただし、土地等を取得した場合には金利コスト損金不算入の取り扱いがありますので注意してください。
 不動産取得税、自動車取得税、新増設事業所税、登録免許税その他登記費用=これらの税金は、会社の選択で固定資産価額に含めないことができます。
他の金利と同様に、一度資産に含めてしまうとその後の損金処理はできないことに注意してください。
 次のどちらかに該当すれば、全額損金処理できます。
 取得価額が二〇万円未満である。
判定は、事務机、応接セットは1セット(または組)単位、カーテン、ブラインドは利用する部屋単位などで行う。
 使用期間(実績)が一年未満である。
なお、この基準は該当資産を最初に使用した年度のみ認められるので、後日気がついても手遅れとなるため注意してください。
 会社が税務調査で否認される項目のなかでも、修繕費の否認は経営感覚と税務署の感覚のひらきに何か釈然としないものを感じるという声が会社担当者から聞かれます。
 一般的に、修繕費とは固定資産を維持するために必要な修繕、補修費用と定義されていますが、実務ではまず、なにが維持、補修かという事実判断が難しいのです。
そのうえ会社はどちらかというと保守的になりやすく、修繕費をどうしても好意的に解釈しがちです。
そこに税務調査を受けると、税務署と意見の相違が生じやすい領域となってしまうわけです。
 修繕費が否認されると「資本的支出」として扱われます。
資本的支出とは、ここでは(厳密には違うのですが)、固定資産の購入と同じとしておきましょう。
さて、資本的支出の税務上の扱いは修理や改修の対象となった固定資産と同じに扱うことが原則です。
たとえば、建物に対して資本的支出をした場合、その支出額を建物と同じ耐用年数で減価償却費の計算をすることになります。
つまり、修繕費の否認といっても、土地のケースを除けばそれは一時の損金として認めないということであって、長期間にわたって少しずつ減価償却費として損金に計上できるわけです。
否認されて納めた税金はいわば前払い税金といえるでしょう。
 修繕費となるか、ならないかの判定基準は法律解釈ではありません。
実際の工事が、固定資産の現状を維持していくためのものか、逆に固定資産の能力を高めたり耐用年数を延ばすものであるかの事実認定が問題となります。
税務当局もそのへんの難しさをわかっていて、少額の修繕費や、事実認定が難しい場合に取り扱いの便宜を与えています。
 以下の例は、固定資産に対してある支出がされた場合に、これを修繕費とするか資本的支出とするかの大まかな取り扱いを示したものです。
なお利用法はこの順番に従ってください。
 二〇万円未満基準=支出額(未払も含む)が二〇万円に満たない場合は無条件に修繕費処理してかまいません。
間違いやすいのは、支出額が二〇万円であるのに形式的に修繕費としてしまうケースや、全体として二〇万円以上の支出額であるのに、支払いが細かく分かれていたため二〇万円未満として修繕費処理してしまう例がよくみられます。

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